患者に選ばれる歯科医院のポイント

歯科医院の数は全国で約6万軒を超え、コンビニエンスストアよりも多いといわれています。そんな中で、「どうすれば患者に選ばれる歯科医院になれるのか?」という課題は、多くの歯科経営者・院長先生が抱えている共通のテーマです。
単に「最新設備を導入すればよい」「治療技術が高ければ患者が集まる」という時代は終わりました。今、求められているのは“患者視点”に立った医院づくりと信頼関係の構築です。ここでは、患者が歯科医院を選ぶ際の決め手と、選ばれるための具体的なポイントを解説します。
1. 患者が歯科医院を選ぶ基準とは?
まず、患者はどんな理由で歯科医院を選んでいるのでしょうか。厚生労働省や日本歯科医師会の調査によると、主な選定理由は以下の通りです。 また、当社の内覧会イベントの2万人の来場者アンケートも参考にしてください。
| 項目 | 割合(複数回答) | 弊社アンケート |
| 通いやすい場所・アクセス | 約65% | 約65% |
| 医師・スタッフの対応が良い | 約58% | 約78% |
| 清潔感・設備の新しさ | 約50% | 約50% |
| 説明がわかりやすい | 約45% | 約35% |
| 口コミ・紹介 | 約40% | 約14% |
| 治療技術・専門性 | 約30% | 約55% |
| 待ち時間が少ない | 約25% | 約10% |
このデータから分かるのは、技術力だけではなく「安心感」「通いやすさ」「人柄・雰囲気」など、感情的な要素が非常に重視されているということです。つまり、「医療サービスとしての満足」と「体験としての満足」の両方が必要なのです。
2. 患者に選ばれる歯科医院の7つのポイント
(1)清潔で安心できる院内環境
患者が医院に入って最初に感じるのは「清潔感」です。明るく整理整頓された空間、医療器具の滅菌管理、空気清浄や消毒の徹底など、“見える清潔さ”と“見えない安全性”を両立することが信頼につながります。
特にコロナ以降、感染対策を明確に掲示する医院は患者から高評価を得ています。ユニットの間隔・仕切り・スリッパ殺菌・アルコール消毒の設置なども重要です。
(2)丁寧で分かりやすい説明(インフォームドコンセント)
近年、患者の多くが治療内容に対して「しっかり説明してくれる先生が良い」と答えています。歯科医療は専門用語が多く、患者には理解しづらい部分も多いため、模型・モニター・画像などを活用して“視覚的に伝える工夫”が求められます。
また、治療の選択肢(保険・自費)を押し付けるのではなく、患者の希望やライフスタイルに寄り添った提案をすることで、「信頼できる先生」という印象を与えます。
(3)患者とのコミュニケーションを重視
患者の不安を軽減する最大の要素は「会話」です。問診時や治療中に一言添えるだけでも印象は大きく変わります。
- 痛みへの配慮を言葉で伝える
- 治療中の手順を簡単に説明する
- 終了後に「今日はここまで頑張りましたね」と声をかける
こうした細やかな対応が患者満足度を大きく左右します。スタッフ全員が同じ方向性でコミュニケーションできるよう、医院全体で接遇方針を共有することも大切です。
(4)通いやすい立地と予約システム
アクセスの良さは集患の基本です。駅から徒歩圏内・駐車場の確保・夜間や休日診療の対応など、「行きたいと思ったときに通える環境」が患者に選ばれる条件となります。
さらに近年は、オンライン予約・LINE予約・自動リマインド機能を導入する医院が増えています。予約の利便性を高めることは、リピート率向上にもつながります。
(5)医院のブランディングと情報発信
情報収集の主流は紙媒体からインターネットへ完全に移行しました。多くの患者が「Google検索」や「口コミサイト」「SNS」で歯科医院を調べています。
そのため、
- 清潔感のあるホームページ
- 治療実績や方針が分かるコンテンツ
- 定期的なブログ・Instagram発信が信頼構築に欠かせません。
とくに近年では、動画で院内を紹介する「バーチャル内覧会」や求人連動型動画(例:デンプロの動画求人)も注目されています。「どんな先生・スタッフがいるのか」「医院の雰囲気はどうか」を伝えることが、患者の不安を解消する最大の要因です。
(6)チーム医療としてのスタッフ対応
医院の印象を決めるのは院長だけではありません。受付・歯科衛生士・助手・技工士など、**すべてのスタッフが医院の“顔”**です。笑顔のあいさつ・丁寧な説明・迅速な対応は、リピート率を大きく左右します。
また、スタッフが明るく働いている医院は、患者にも安心感と信頼を与えます。内部の雰囲気は自然と外部にも伝わるため、スタッフ満足度(ES)の向上が患者満足度(CS)につながるのです。
(7)地域とのつながりを大切にする
患者は「地域で信頼されている医院」に自然と集まります。地域の学校や保育園での歯科講話、健康イベントへの参加、高齢者施設での訪問歯科活動など、地域医療への貢献が医院のブランド価値を高めます。
また、地域イベントでの無料歯科相談会や歯ブラシ配布なども効果的です。「地域の健康を守るパートナー」としての存在を発信することで、長期的な信頼を獲得できます。
3. “選ばれる医院”になるためのまとめ
| ポイント | 内容 |
| 清潔・快適な院内環境 | 見た目・衛生・感染対策を徹底 |
| 説明のわかりやすさ | 患者目線の言葉とビジュアル化 |
| コミュニケーション | 小さな声かけが信頼を生む |
| 通いやすさ | アクセス・予約システムの利便性 |
| 情報発信 | ホームページ・SNSで医院の魅力を伝える |
| スタッフ力 | 一体感あるチーム医療が印象を決める |
| 地域貢献 | 信頼される“街のかかりつけ歯科”へ |
4. これからの歯科医院経営に求められること
これからの歯科医院は、単に「虫歯を治す場所」ではなく、「健康な口腔環境を維持するためのパートナー」として存在することが求められます。
そのためには、

- 患者との信頼関係を継続的に築く
- 地域との絆を深める
- スタッフと理念を共有するといった人と人との関係性の強化が最も重要です。
治療技術よりも、「この先生に診てもらいたい」と思ってもらえるかどうか。
それこそが、真に“患者に選ばれる歯科医院”の最大のポイントです。
デンプロでは採用・集患活動をより効果的にサポートできるよう、ご活用いただけるサービスを提供しております。
