国民皆歯科健診とは?わかりやすく解説!

近年、「国民皆歯科健診(こくみんかいしかけんしん)」という言葉が注目されています。これは、日本全国の人々が定期的に歯科健診を受ける仕組みをつくるというものです。
歯科医療従事者(歯科医師/歯科衛生士/歯科助手/受付スタッフ)であれば知っている方も多いと思いますが、今回のコラムでは「国民皆歯科健診」の目的やメリット、今後の課題についてわかりやすく解説します!
1. 国民皆歯科健診とは?
「国民皆歯科健診」ってなに?
「国民皆歯科健診」とは、歯科健診の受診率が低い成人期以降の職域を含めた歯科健診の充実を図る推進事業です。
現在、日本では会社員や学生は健康診断を受ける機会がありますが、歯科の健診は義務ではありません。そのため、歯が痛くならない限り、歯医者に行かない人も多いのが現状です。
しかし、歯と全身の健康は深く関係しているため、国が推進して「すべての人が定期的に歯科健診を受けられるようにしよう」という動きが始まっています。
2. なぜ国民皆歯科健診が必要なの?
① むし歯・歯周病の早期発見・予防
歯の病気は、痛みが出てから治療すると治療費が高くなったり、歯を失うリスクが高まります。しかし、定期的な歯科健診を受ければ、初期の段階で発見し、簡単な治療で済ませることができます。
歯科健診でチェックできること
- むし歯の有無
- 歯周病の進行度
- 噛み合わせの異常
- 歯並びや顎関節の問題
このように、歯科健診を定期的に受けることで、大きな治療を防ぐことができるのです!
② 全身の健康にも関わる!
実は、歯の健康と全身の健康は密接に関係しています。例えば、歯周病は糖尿病や心臓病、認知症のリスクを高めることがわかっています。
こんな病気とも関係あり!
- 糖尿病 → 歯周病が悪化すると血糖値がコントロールしにくくなる
- 心臓病 → 歯周病菌が血管を通じて心臓に影響を与える
- 認知症 → 口の健康状態が悪いと、脳の働きにも悪影響を及ぼす
つまり、歯科健診を受けることは、全身の健康を守ることにもつながるのです!

3. 今の歯科健診と何が違うの?
現在の日本でも、特定の年齢や職業の人は歯科健診を受ける機会があります。例えば、
- 子ども(学校歯科健診) → 小・中・高校で実施
- 会社員(企業健診) → 企業によっては歯科健診を実施
- 高齢者(市町村の健診) → 65歳以上で受けられる自治体も
しかし、大人になると歯科健診を受ける機会が減ってしまうのが現状です。そのため、国民皆歯科健診が実現すれば、すべての年齢の人が定期的に歯科健診を受けられるようになるのです!
4. 国民皆歯科健診のメリット
① 医療費の削減
歯科健診を受けて、むし歯や歯周病を早期に発見・予防すれば、大きな治療が不要になります。その結果、将来的な医療費の負担を減らすことができます。
例えば、歯を失ってしまうとインプラントや入れ歯の費用が高額になります。定期的な健診で予防すれば、こうした治療を避けることができるのです。
② 健康寿命の延伸
「歯が健康な人ほど長生きする」と言われるように、口の健康を保つことは、健康寿命を延ばすことにつながります。
- 残存歯数が20本以上ある人 → よく噛める → 認知症や生活習慣病のリスクが低下
- 残存歯数が少ない人 → 噛めない → 食事が偏る → 体の不調が増える
歯を守ることは、「健康で長生きすること」に直結しているのです!

5. 国民皆歯科健診の課題
① 費用負担の問題
全国民が歯科健診を受けるとなると、その費用をどう負担するのかが大きな課題になります。
- 健康保険でカバーする?
- 自治体が補助を出す?
- 個人負担を増やす?
こうした問題をどう解決するかが今後のポイントになります。
② 受診率の向上
「歯が痛くないから歯医者に行かない」という人は多くいます。国民皆歯科健診が導入されても、実際に受診する人が増えなければ意味がありません。
そのためには、
- 健診を受けるメリットを周知する
- 無料または低価格で受けられるよう推進する
- 予約を簡単にして、行きやすい仕組みをつくる
こうした工夫が必要になります。
6. まとめ

「国民皆歯科健診」は、歯科健診の受診率が低い成人期以降の職域を含めた歯科健診の充実を図ることを目指しています。
- むし歯や歯周病を早期発見・予防できる!
- 全身の健康にもつながる!
- 医療費を削減し、健康寿命を延ばせる!
しかし、費用負担や受診率向上といった課題もあるため、今後の制度づくりが重要になります。
「歯の健康は、一生の財産」国民皆歯科健診が実現すれば、もっと多くの人が健康な歯を維持できる社会になるでしょう!
デンプロは歯科業界で働く人々に対し情熱を持ってサポートし、笑顔が溢れる豊かな生活の実現を応援しています。